
目次:
映画の基本情報
映画タイトル | ブラックホーク・ダウン |
個人評価 | ★6 |
監督 | リドリー・スコット |
主要キャスト |
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一言感想 / こんな人にオススメ!
一言感想
戦争や兵士のことは理解できないけど。仲間達がいるから逃げられない、って気持ちだけは、なんとなくわかる気がする。
こんな人にオススメ!
- 戦争の「現場」を少しだけでも感じてみたい人
- 怪我の描写にある程度の耐性がある人
映画のあらすじ
1993年のソマリア。アメリカが、敵の将軍を捕獲するために、強襲作戦を決行。
さっくりと終えて帰る予定が、アメリカ軍のヘリコプターが撃墜される。
救出のために向かった兵士達も次々と負傷し、またそれを救出しようとして負傷者が増える悪循環。
しかし誰一人としてあとに残すわけにはいかないのだっ! 何としても全員連れ帰る。置き去りなんてゆるさないんだからねっ!
倒しても倒してもあらわれる敵。兵士達は無事に脱出できるのか!?
映画の予告動画
オススメなところ!
「兵士達」が主役
だれか一人が大活躍する、といった話ではありません。
「兵士達」という集団が、この物語の主役です。
戦争映画というと、「個人の回想が入って、悲劇的な死を遂げる」とか「とにかく戦争の悲惨さを描いて、戦争反対!」とか「すごい戦略・戦術で敵を圧倒!」とかが多いと思いますが。
この映画は、戦争の全容を描いたものでもなく、個人を深く描いたものでもない。
ただ、戦場で戦う兵士達の痛みが描かれています。
徹底的に局地戦と兵士達の消耗のシーンが続きます。
こういった視点は他の映画ではあまりなく、良かったです。
なぜ兵士達は戦うのか
なぜ兵士達は戦争に向かうのか? なぜ戦い続けるのか?
戦争に関わりのない人たちにとっては、理解が難しい感覚ではないでしょうか。
中には、平和の実現という大義のために本気で戦う人もいると思いますが。そうでない人も多いでしょう。
英雄になりたい、という思いもないですし。ただ人を殺したい、というアヤうい人も、ほとんどいないのではないでしょうか。
映画の中で一人の兵士が「仲間達のために戦う」のだと言います。
これにはけっこう、納得させられました。その言葉があったからではなく、映画全体で「仲間のために戦う姿」が一貫してみられるからです。
彼らは軍隊に帰属しており、仲間達と繋がっています。
仲間を置いて一人だけ逃げることは許されないのです。自分だけ逃げても、戦場は無くなりません。
死の恐怖よりも、「仲間達を裏切って一人だけ逃げる」ことの恐怖の方が上回るから、戦場に向かえるのではないでしょうか。
これは単に「仲間の命を救いたい」といった気持ちだけを意味するのではありません。
戦場から逃げるということは、仲間を見捨てることを意味します。
戦場から逃げるということは、これまでの自分を捨て、居場所を失うことを意味します。
後者の恐怖の方は大きいと思います。
戦争に限らずありますよね。
「仲間のためにやる」「仲間がやるから自分もやらざるを得ない」ことって。
一人では絶対にできないこと、やらないようなことでも、良くも悪くも仲間がいるからできてしまうのです。
ザンネンなところ……
「ヒューマンドラマ」はない
冒頭の30分前後で、戦場ではない、平時の基地も描かれるのですが。
ひとりひとりに何かエピソードがあるわけではありません。
みんな同じ服装をしているし(軍人だから当たり前だけど)、特徴的なエピソードもないし、誰が誰だかよく分かりません。
「あいつめっちゃいいやつなのに死んじゃったー……」的な感動モノを予想していると、期待はずれかもしれません。
基本的にアメリカ側の視点のみ
当然のことだけど。ソマリアの民兵側の視点では描かれません。
ただ、「アメリカ万歳!」ってわけでもないし。一方的に何らかの正義を押し付けるような映画ではないので、まぁ良しです。
そのほか思ったこと
怪我だらけ。しかもめっちゃリアル
怪我人おおすぎ。そしてリアルすぎ。
痛々しい描写が苦手な人は絶対に見ない方がいいです。
普通に腕も内臓も吹っ飛んでいきます。
反戦映画でなないが、この映画を見て、戦争を肯定できる人は少ないと思う
なんだろう。戦争反対!って映画じゃないんだけど。
映画を見終わった後は、戦争って絶対ない方がいいよなー。と思わされます。
平和な国の平和な時代に生きていると、忘れがちですが。世界中には多くの痛みがあふれているんだな、と当たり前のことに改めて気付かされます。
等身大の人々が傷ついていくのをひたすら見せられるので、そんな気分になるのかな。
ユエン・ブレムナーがいい感じ
『ワンダーウーマン』にも出ていたこのお方。画像はワンダーウーマンの方。
この映画では、おとぼけキャラのネルソン役として出ています。
ずーっと殺伐とした映画なので。彼が唯一のほっこりどころです。
ほっこり、大事。