- 優秀な人なのに残業が多くなってしまう理由を知りたい
- 残業が多い人の特徴を知りたい
- 優秀ではないのに残業をする人との違いを知りたい
優秀な社員が長時間の残業をする理由は多岐にわたります。
特に優秀な人材が、責任感の強さや完璧主義、重要なプロジェクトのプレッシャーにより多くの時間を職場で過ごすことがあります。
この記事では、なぜ優秀な人が多くの時間を仕事に費やすのか、その心理的・環境的要因を解説します。
また、比較のために、優秀ではなくても残業が多い人の特徴も合わせてご紹介します。
優秀な人の方が残業が多いのか?
優秀な人の方が残業が多い傾向にある
理由はこの後ご紹介しますが、優秀な人はタスク処理能力が高くても、多くの仕事を任せられることで長時間労働になってしまう傾向にあります。
優秀でない人がむしろ残業が多くなるケースも
これも後程紹介しますが、むしろ優秀ではないために残業が増えることもあります。
優秀な人の残業が多い傾向はありますが、残業量だけではその人の能力を判断することはできません
優秀な人が残業を多くする理由
責任感が強く、任される仕事が多い
優秀な人は仕事が早く確実なため、上司もつい優先的にその人に依頼してしまう
優秀な従業員はしばしば重要なプロジェクトを任され、それが多くの残業を引き起こします。
彼らは組織にとって不可欠であり、その結果、他の同僚よりも多くの時間とエネルギーを職場で費やすことになります。
仕事量が単純に多いことにより、優秀な人がどれだけ早く仕事を終えたとしても、定時までにはさばき切れない業務量となってしまいます。
また、優秀な人ほど責任感が強く、任せられた仕事で成果がるまで努力します。
他の人であればあきらめて切り上げてしまうようなことでも、責任感の強い人は時間外勤務を増やしてまで、目標達成を目指します。
実際に周りを見ていると、優秀で出世するような人ほど、夜遅くまで働いているのをよく目にします。
チームのエース級で会社に期待されている
通常業務の他、重要度の高いプロジェクトにアサインされる
企業は能力の高い従業員に多くを求めます。
エース級の社員は会社の稼ぎ頭ですし、将来的に幹部層として活躍することも期待されているため、社内外に影響の大きい重要度の高いプロジェクトにアサインされる傾向にあります。
優秀な従業員は会社の顔として、クライアントとの交渉や新しいビジネスチャンスの開拓など、外部との重要な接点となることも多いです。
完璧主義の気質がある。
優秀な人は求められるクオリティも高くなる
完璧を求める性格は、仕事の質を非常に高くする一方で、多くの時間を要求することもあります。
細部にわたるこだわりが、残業が増える主な理由の一つです。
本当に優秀な人は、スケジュールと品質のバランスを取るのもうまいです。
しかし周囲からの期待が高いと、求められるものも水準も高くなり、手を抜くのにも限界があり一つ一つのタスクに時間がかかってしまいます。
幹部層や社外との打ち合わせ
重要な会議はしばしば定時後に行われるため、自然と残業時間が増える
高い地位にある従業員は、社外の重要なステークホルダーと頻繁に会議を持つ必要があります。
優秀な社員は、上司と話さなければならない仕事も複数かなえています。
しかし上司も多忙なため、話をできる時間が時間外にしかない、ということも往々にしてあります。
早く帰れそうな日でも上司の時間が空くまで会社にいる必要があり、他の仕事を予定を前倒しして処理しながら待つことになります。
残業が多い優秀な人の特徴
残業が多い優秀な人々には、共通する特徴があります。
高いコミットメントと期待値
優秀な従業員は、彼らが持つ高い専門性や組織に対する強いコミットメントから、任されたタスクに対して最善を尽くします。
これは、彼らが通常、期待される成果を達成するために余分な時間を費やすことを意味します。
チーム目標達成のため、優秀な人は周りと比べて高めの目標を課される
効率的な仕事の限界
多くの優秀な従業員は効率的に仕事を進めますが、業務の量やその複雑さが増すにつれ、彼らの効率も限界に達することがあります。
これはしばしば、プロジェクトやタスクの管理において残業が必要とされる主要な要因となります。
どれだけ効率化をしたとしても、一人でできる作業には限界があります。
周囲に仕事を任せた方がいい事でも、「自分でやった方が効率的で速い」といった理由で、つい優秀な従業員自身も仕事を抱えてしまいがちです。
特に社外のお客様が絡むようなタスクでは、周りに任せたくても遅れてはお客様に迷惑がかかるため自分でやらざるを得ない、といったことも多いです。
残業を減らせない心理的要因
責任感が強いことや、仕事を通じて自己価値を感じることから、優秀な従業員はしばしば必要以上に仕事を引き受けます。
また、彼らは他の人に迷惑をかけたくないという強迫観念に駆られることがあります。
迷惑をかけないというだけにとどまらず、自分にかけられた期待に応えなければならないという責任感もあります。
こういった人たちは、これまで期待に応え周囲に評価されることで今の自分があるため、常に成果を上げ続けなければならない、というプレッシャーにさらされています。
優秀な人も努力を継続しなければ成果は上げられない
優秀ではない人が残業を多くする理由
タスクの処理が遅い
スキルが不足しているか、単純にタスクへの取り組み方が遅い
効率的な仕事のできない人々は、しばしばタスク処理に時間がかかります。
通常の勤務時間内に仕事を完成させることができず、結果的に残業が増える原因となります。
優秀ではない人は、効率的な仕事の進め方を考えよう、学ぼうといったモチベーションもないことが多いです。
新しいスキルを学ぶ、やり方を変える、といったことでもっと早くタスクを処理できることは沢山あります。
しかし、優秀でない人は、単純に時間外労働という物量で効率の悪さをカバーします。
計画性がない
緊急ではないタスクに時間を取られ、本来重要な仕事の時間が削がれてしまう
計画性が欠けている人は、日々の仕事の優先順位をつけるのが苦手です。
例えば来週でもいい仕事や、重要度の低い仕事でも、やりやすそうな仕事があればついそこから手を付けてしまいます。
結果、重要なタスクの締め切りが迫ると、それを終わらせるために残業することになります。
やるべきことを後回しにする
重要度よりも難易度で仕事の順番を決めてしまう
先延ばしは、仕事の効率を大きく下げる要因です。
本来、重要度や難易度が高い仕事から優先的に処理していくべきですが、優秀でない人はそうした仕事にストレスを感じるため、重要ではない簡単な仕事から着手してしまいます。
やるべきことを後回しにする習慣がある人は、締め切り直前になって急いで仕事をすることになり、それが過剰な残業につながります。
優先度をつけられない
やるべきことが複数ある場合も、その中での優先度というものは存在します。
締め切りの近い緊急度の高いものや、売り上げやお客様影響の大きな重要度の高いタスクは、優先度を上げて対応しなければなりません。
優秀でない人は、仕事の優先順位を適切に設定できないことも、不要な残業の一因です。
すべてのタスクを同じ重要度で扱うと、本来後回しにしても良い低優先度の作業に時間を費やすことになります。
仕事がなくても周りに合わせている
職場の文化や圧力により、他の人が残っているために自分も残らざるを得ない状況があります。
優秀ではない人は社内での立場も強いものではないため、周りの目が気になってしまい「結果を出していないのに早く帰る」ということができません。
残業代で稼いでいる
評価されていない人は基本給や残業代の単価が低い
経済的な理由から、残業代を稼ぐために意図的に残業をする人もいます。
これは短期的な収入増にはなるものの、長期的には職場での評価や健康に悪影響を及ぼすことがあります。
優秀ではなく会社からの評価の低い人は、残業代の単価が低い分、長時間の時間外労働によって求める残業代を確保する必要が出てきます。
社内でコミュニケーションが取れていない
早めに聞いておく、ということができない
効果的なコミュニケーションが欠けている職場では、仕事の進行がスムーズでなく、情報の伝達やタスクの進捗に遅れが生じがちです。
これが無駄な残業の原因となることが多いです。
人に依頼をして、期待する回答を得られるまでには時間がかかります。
そうしたことを見越して「他の人がかかわる仕事については早めに声をかけておいて、その回答を待つ間に自分の仕事をする」のが効率的な仕事の進め方です。
優秀でない人は締め切りの直前となってから周囲とコミュニケーションを取り、周りにも迷惑をかけながら、残業を増やしながら慌ててタスクを処理することがあります。
家に帰りたくない理由がある
プライベートの問題や家庭環境が原因で、家に帰りたくないと感じる人もいます。
このような個人的な事情が残業を選択させることがあります。
優秀かどうかは関係ないケースも
ただし、優秀な人であっても家に帰りたくなり理由がある場合もあります。
これだけに限って言えば、だれにでも共通する残業理由になり得ます。
優秀な人が残業を減らすための対策
残業が多い優秀な従業員の負担を軽減するためには、組織全体での取り組みが必要です。
ここでは、効果的な対策をいくつか紹介します。
「残業しない人」のイメージを職場でつける
キャラクター付けが重要
責任感の強い優秀な人は、周りからも頼られ、様々な依頼を受けることになります。
「あの人は頼ったらやってくれる」というキャラクター像ができあがり、周りもそれに甘えて優秀な人に頼ってしまいます。
しかし、時には断る勇気も必要です。
自分の状況をしっかりと周囲に伝え、優先度の低い仕事はする余裕がないことを丁寧に伝えましょう。
あの人は優秀だけど、あまり残業はしないよね、と認知されているような人は周りにいませんか?
タスク・時間管理とツールの活用
優秀な人には複数のタスクが集まり、マルチタスクとなりがちです。
時間管理ツールやアプリを導入して効率を向上させることで、不要な残業を削減します。
また、デイリーのタスクリストを作成し、それに基づいて仕事を進めることが効果的です。
Todoistに代表されるToDo管理ツールを使うことで、残りタスクを意識しながら処理することができます。
仕事のプライオリティの見直し
どのタスクが最も重要で緊急性が高いかを定期的に評価し、それに基づいて日々の業務を調整することが重要です。
これにより、本当に必要な仕事に集中し、残業を減らすことが可能になります。
Trelloのようなカンバン式のタスク管理を用いることで、タスクの優先度付けや、しかかり中のタスク管理をできます。
仕事の分担・割り振り
チーム内での仕事の適切な分担や割り振りを行うことで、個々の従業員の負担を減らすことができます。
特に重要なプロジェクトでは、リソースを適切に配置し、全員の負担を均等にすることが重要です。
タスクを整理し、誰でもできる仕事は他のメンバーに割り振り、優秀な社員が重要な仕事に集中できる環境を作ることが重要です。
また、人件費は増えてしまいますが、優秀な社員にアシスタントをつけることで、全体として組織が最適化されることもあります。
まとめ
- 優秀な人は仕事量が多く残業が多くなる
- 優秀な人は期待値が高く責任感も強い
- 逆に優秀ではないため残業が増える理由も沢山ある
- 個人によるタスクの効率化、組織による全体最適化が必要
残業が多い状況は多くの場合、職場環境や文化、個々の仕事の進め方によって引き起こされます。
優秀な従業員が過剰な残業をせずとも効率的に働ける環境を整えることは、企業の持続可能な成長にとっても不可欠です。
エース級社員も、周りの人も、お互い助け合いながら組織として最大の成果を上げられる環境を作りたいですね