「新生活に向けて家具家電を揃えなきゃ……でも買うのは高いし面倒」
「家電レンタルって便利そうだけど、レンタルと購入はどっちがお得なんだろう?」
——そんなふうに迷っていませんか?
新たに一人暮らしを始めたり、家電を揃えるのには、想像以上にお金も時間もかかります。
すぐに使えて、設置や回収もおまかせできて、初期費用も抑えられる家電レンタルは、一人暮らしの味方ともいえるサービスです。
しかしその便利さの裏には、見落としがちな「落とし穴」が潜んでいるのも事実です。
この記事では、一人暮らしで家電レンタルを検討しているあなたに向けて、レンタルのデメリットや、購入とレンタルどちらにした方がいいのかの判断基準を解説します。

家電レンタルサービスはとても便利ですが、そのデメリットもよく理解して、使うかどうかを決めましょう
一人暮らしで家電レンタルを検討する人が増えている理由


最近では、一人暮らしを始める若者や単身赴任のビジネスパーソンを中心に、「家電はレンタルで済ませる」という選択が増えてきました。
特に、初期費用を抑えたい人や短期間の住まいを予定している人にとって、家具家電のレンタルサービスはとても魅力的に映ります。
購入より初期費用が抑えられる手軽さ
一例として、家電の初期費用としては以下のような出費がかかります。
- 冷蔵庫(単身用)…30,000〜50,000円
- 洗濯機(5kg程度)…25,000〜40,000円
- 電子レンジ…8,000〜15,000円
合計すると6〜10万円ほど。これを引っ越し前のタイミングで一括支出するのは大きな負担になります。
この他の家電も含めて一式揃えるには、10〜20万円の出費となることもあります。
しかし、レンタルであれば初期費用をほぼゼロに抑えられ、月額数千円からスタート可能です。
この「手軽さ」が、レンタルが支持される理由のひとつです。
特に、金銭的に余裕がない学生や新社会人や、短期間の単身赴任でも導入しやすいというメリットがあります。
引っ越しや短期滞在に便利な柔軟性
短期間での一人暮らしの予定がある場合、家電を購入しても「使い終わった後の処分」が悩みの種になります。
粗大ごみとして出す手続きや、フリマアプリでの出品・梱包・発送など、時間と手間がかかるうえ、処分費も必要になることが多いです。
レンタルなら、契約期間が終われば回収してもらえるため、退去時もスムーズ。
身軽に引っ越しできるのは大きな魅力です。
配送・設置・回収などがまとめて任せられる
購入品は「自分で運ぶ」か「設置サービスを別途手配」する必要があります。
特に冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は一人での設置が難しく、友人や業者の手配が必要になります。
一方レンタルサービスでは、契約と同時に配送・設置・回収まで含まれている場合が多く、煩雑な手間をすべて任せられるのが特徴です。
「届いたその日から使える」快適さは、忙しい引っ越し時にありがたいポイントです。
このように、家電レンタルは「安くてラク」という点で多くの一人暮らしユーザーに支持されています。
しかし、メリットがあれば当然デメリットも存在します。
次の章からはその裏側にある“見落としがちなリスク”について詳しく掘り下げていきます。
家電レンタルの代表的な5つのデメリットとは?


便利に見える家電レンタルにも、実は見落としがちなデメリットがあります。
ここでは、家電レンタルの利用前に必ず意識すべき5つのデメリットをご紹介します。
長期間利用すると購入より割高になる
最大のデメリットは「長期レンタルの費用」です。
レンタルの魅力は「月々の出費が少ない」という点にありますが、落とし穴は“積み重ね”です。
例えば、月額2,000円の冷蔵庫を2年間レンタルした場合、総額は48,000円です。
ところが、同じクラスの冷蔵庫は新品で3万円台で購入可能なものも多く、結果として購入の方が安上がりになることが少なくありません。
さらに、レンタル会社によっては延長時の料金が割高に設定されており、「最初は月額1,800円だったのに、1年後からは2,500円に」といった例も見られます。
このような価格変動にも要注意です。
家電レンタルは月額制のため、2年~3年と長く使えば使うほど支払い総額が膨らむことになります。
家電レンタルと購入の比較は後ほど解説しますが、長く使えば使うほど、結果的にレンタルの方が割高になります。
最低利用期間や違約金の縛りがある
多くのレンタル業者では「最低契約期間」が設けられています。
たとえば「最低6ヶ月利用必須」「途中解約には違約金あり」といった条件です。
これを知らずに契約し、引っ越しや生活の変化で早めに返却しようとすると、思わぬ出費を強いられることになります。
一部の業者では、「最低期間未満の解約には残期間分のレンタル料を請求」するルールがあり、実質的に途中解約が非常に難しい場合もあります。
利用前には必ず「契約期間」と「違約金の条件」をチェックし、不明点は契約前に問い合わせておくことが重要です。
中古品が多く、最新版が選べないことも
家電レンタルの実態として、「新品」が届くケースはまれです。
ほとんどのレンタル品はクリーニング済みの中古家電で、性能や衛生面に不安を感じる人も少なくありません。
加えて、選べるメーカーやモデルにも限りがあります。
また、レンタル品の中には製造年が古いモデルもあり、「消費電力が高い」「運転音がうるさい」など、使い勝手の面でもストレスを感じることがあります。
故障・汚損時に追加料金や弁償のリスク
「レンタルだから壊れても安心」と思っている人も多いですが、実際にはそうではありません。
自然故障や経年劣化による不具合は無償対応される場合が多いものの、「誤って落とした」「飲み物をこぼした」などの過失による破損は弁償対象になります。
また、汚れの程度によっては「クリーニング費用」が請求されることもあります。
特に冷蔵庫や洗濯機などは内部の汚れが目立ちやすいため、返却時のトラブルになりやすいポイントです。
さらに、修理や交換には数日〜1週間以上かかることもあり、故障中の不便さをカバーするサポートがない業者もあります。
「すぐに交換してくれると思ったのに、数日間洗濯できなかった」というような口コミも見受けられます。
引っ越し時の対応や返却手続きが煩雑
一人暮らしの住まいは流動的なことが多く、引っ越しの可能性も高いでしょう。
しかし、レンタル家電は「契約住所限定」での利用が前提となっており、引っ越し先への移設が認められていない場合があります。
このような場合、一度返却し、再度契約し直す必要があり、再契約費用や新たな配送手数料が発生することも。
また、返却手続き自体が面倒で、「希望日時に来てもらえなかった」「立ち会いが必要で予定を合わせるのが大変だった」などの不満も少なくありません。
さらに、返却時には「正常に動作するか」のチェックが行われ、不備があるとその場で追加料金を求められることもあります。
引っ越しや退去の忙しい時期に、こうした煩雑な手続きが重なるのは精神的にも負担となるでしょう。
家電レンタルよりも購入がおすすめなケース


ここでは、家電レンタルではなく「購入」を選んだ方が満足度が高く、結果的に費用やストレスを抑えられるケースを具体的にご紹介します。
長期的に一人暮らしをする予定の人
2年以上の長期的な居住が確定している場合、家電を購入したほうが明らかにコストパフォーマンスが良くなります。
たとえば、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジの3点セットを購入すると、相場では合計で6〜8万円ほど。
しかし、レンタルでは2年で10万円以上かかることもあります。
さらに、購入した家電は資産として手元に残るため、引っ越し先にも持っていける、またはフリマアプリなどで売却するという選択肢もあります。
使用頻度の高い家電ほど、長期的に見たときに「自分のもの」として所有していた方がストレスも少なく、愛着も湧いてくるでしょう。
オリジナルなデザインや高機能にこだわる人
「部屋のインテリアに合わせたデザインの冷蔵庫が欲しい」「洗濯機は静音性や節水機能を重視したい」など、家電に求めるこだわりがある方には、レンタルは不向きです。
購入と比べると、レンタル家電の多くは、メーカーや型番、カラーの選択肢が狭まります。
届いてみたら思っていたのと違った、デザインが古くて気に入らない、といったギャップが発生しやすいのです。
一方、購入であれば、最新機種や高機能モデル、または省エネ性能に優れた製品など、自分の価値観に合わせた選択が可能になります。
最新の家電を使ったライフスタイルにこだわりたい方は、購入を前向きに検討すべきです。
家電のメンテナンスを自分で管理したい人
中古家電を利用することに抵抗がある方や、常に清潔で衛生的な環境を保ちたい方には、レンタルよりも購入の方が向いています。
レンタル家電は前使用者がいるため、どれだけクリーニングされていたとしても「本当にキレイなのか不安」という声もあります。
また、レンタル品は使用中の故障やトラブル時に交換対応まで時間がかかることがあります。
購入していれば、自分で修理を依頼したり、すぐに買い替えたりと、迅速に対応できるのもメリットです。
自分で管理したいという気持ちが強い人や、品質に安心感を求める人は、購入したほうが満足度の高い生活を送れるでしょう。
家電レンタルする際の3つのチェックポイント


「家電レンタルのデメリットも理解したけど、それでもやっぱりレンタルしたい」
——そんな人のために、後悔を回避するための重要なチェックポイントを3つ紹介します。
このポイントを押さえておけば、トラブルや余計な出費を避けることができます。
利用期間は2年以内に収める前提で選ぶ
家電レンタルは「短期利用」にこそ真価を発揮します。
引っ越しや短期出張、期間限定の在住など、「最初から住居期間が決まっている人」には向いているサービスです。
例えば、大学の春〜冬学期だけの半年間だけ実家を離れる学生、出張で6ヶ月だけ都市部に住む会社員などが典型的なケースです。
特に2年以上使う予定なら、費用面では確実に購入が有利になるため、事前に期間を明確にしておくことが大切です。
また、レンタル業者によっては「長期利用になるほど料金が高くなる」ような価格設定もあるため、あらかじめシミュレーションしておきましょう。
保証内容・弁償規定を細かく確認する
故障・破損・汚損といった「もしも」のトラブルに、レンタル業者がどのように対応するかは必ず確認しましょう。
以下の点をチェックリストとして活用できます。
- 自然故障時の無償交換範囲は?
- 過失による破損の場合の弁償金額は?
- 汚れ・におい・カビなどの程度によって請求される清掃費用は?
- 故障時の代替品配送までの所要日数は?
- 解約後の回収手数料の有無は?
これらの条件は、業者によって大きく異なります。
「大手だから安心」と思い込まず、公式サイトのQ&Aや利用規約を細かく読むことが重要です。
特に、格安プランほど保証が薄い傾向があるため注意しましょう。
レンタル業者の評判・サポート体制を比較する
実際にサービスを利用した人の口コミは非常に参考になります。
SNSやレビューサイトで「対応が早い」「交換までスムーズ」「サポートが繋がらない」などの情報を確認し、信頼できる業者を選びましょう。
また、電話サポートの有無や営業時間、緊急時の対応体制などもチェックポイントです。
中にはLINEやチャットで即対応してくれる業者もあるため、自分にとってストレスなく連絡できる手段を持っているかを確認しておきましょう。
ここまで読んで「やっぱり購入の方がいいかも」「やっぱりレンタルで十分そう」と感じた方もいるでしょう。
次の章では、実際に費用や利便性を比較しながら、どちらの選択があなたにとって最適かを見極めるヒントを紹介します。
家電レンタルと購入はどっちが得? 費用の比較シミュレーション


ここでは、購入とレンタル、それぞれの費用と利便性をシミュレーション形式で比較しながら、どちらの選択があなたにとって適しているのかを検討していきましょう。
2年間利用した場合のコスト比較
代表的な家電3点(冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ)を例に、2年間利用した場合の費用を比較してみます。
項目 | 購入 | レンタル(24ヶ月) |
---|---|---|
冷蔵庫 | 35,000円 | 月2,000円×24=48,000円 |
洗濯機 | 30,000円 | 月2,000円×24=48,000円 |
電子レンジ | 10,000円 | 月1,000円×24=24,000円 |
合計 | 75,000円 | 120,000円 |
このように、同じ製品を2年間使った場合、レンタルよりも購入の方が約45,000円も安くなることが分かります。
また、購入品は2年経っても中古品として売却できる可能性があるため、実質的な差はさらに広がるかもしれません。
1年未満であればレンタルの方がお得になり、1年から2年の間で、購入とレンタルのコストが逆転します。
実際にどの程度で購入の方がお得になるかは、レンタル業者ごとのコストや条件によって変わってきます。
メンテナンス・設置・処分の手間をどう見るか
中長期の利用では、費用面でみると購入が有利ですが、利便性ではレンタルに軍配が上がる場合があります。
レンタルは以下のようなサポートが含まれていることが多いです。
- 配送・設置サービスが無料
- 故障時は無償交換(※条件付き)
- 退去時の回収サービスあり
一方、購入した場合は以下のデメリットがあります。
- 自分で設置、または有料設置サービスの手配が必要
- 故障時はメーカー保証や自費修理
- 処分時に費用や労力がかかる
したがって、「引っ越しが多い人」「できるだけ手間をかけたくない人」は、多少割高でもレンタルの方が快適に暮らせる可能性があります。
家電レンタルか購入かの判断ポイント
これまでの内容を整理した、家電レンタルか購入かを選ぶ判断ポイントは以下の通りです。
基本的にはレンタル期間が重要となり、次いで引っ越しに伴う手間や初期費用についての観点が重要となります。
ライフスタイルの特徴 | おすすめ選択肢 |
---|---|
1~2年未満の短期滞在 | レンタル |
長期(2年以上)の一人暮らし | 購入 |
最新家電にこだわりがある | 購入 |
引っ越しが頻繁 | レンタル |
とにかく手間を減らしたい | レンタル |
初期費用を抑えたい(短期) | レンタル |
まとめ|家電レンタルのデメリットを理解したうえで賢く選ぼう
ここまで、家電レンタルの仕組みや費用、実際のデメリットを解説してきました。
レンタルは、初期費用を抑えたい短期滞在者や、設置・回収の手間を省きたい人にとって非常に魅力的な選択肢です。
一方で、長期的な視点に立てばコスト面では購入が明らかに有利であり、家電へのこだわりや清潔さ、資産価値を重視する人には向いていません。
また、契約内容や保証条件を理解せずにレンタルを利用すると、予想外の出費やトラブルに発展することもあります。
以下に、判断時に確認しておきたいチェックリストを記載しておきます。
- 利用期間は明確に定まっているか?
- 月額費用とトータルコストを比較したか?
- 故障・破損時の対応範囲を理解しているか?
- 引越し時の再契約・回収手数料はあるか?
- 自分にとって「所有」と「手軽さ」どちらが価値があるか?
損をしないためには、自分のライフスタイルや利用期間、コスト感をしっかり見極めた上で、家電レンタルか購入かを選ぶことが重要です。



この記事が、家電レンタルか購入かを選択する手助けになれば幸いです
また、本記事と重複する部分もありますが、一人暮らしの方に限らない家電レンタルのデメリット全般も以下の記事でまとめていますので、気になる方はこちらも読んでみてください。

