僕は人事ではないですが、現場の社員として、多くの就活生と会ってきました。
そうすると、「内定を得る人」と「内定を得られない人」の違いがなんとなくわかってきます。
数分話すだけで、「この人はどこかいいところに決まるだろうなー」とか「この人はきっと苦戦してしまうんだろうなー」というのが判断できます。
よほどの専門職でない限りは、就職活動の成否はその人の総合力で決まります。
内定を得るためには様々な能力が必要です。「この能力があれば必ず成功する」という能力は就職活動では存在しません。
しかし、望み通りの内定を得る学生の多くに共通する能力、というものは存在します。
就活生にとって最も必要な能力とは
就活生に最も必要とされる能力。
それは、「自分の頭でしっかりと考え、堂々と話す能力」です。
当然のことを言っているようですが、これを実践できている学生は驚くほど少ないです。
「自分の頭でしっかりと考えること」と「堂々と話すこと」はどちらも欠かすことができません。
話し方がうまく、コミュニケーション能力の高い人というのは沢山います。
しかし、自分の頭で考える力がなければ、選考が進むにつれてボロがでてきます。
質問に対して、的外れな回答をしてしまうからです。
こういう人は「自分がもともと考えていたこと」を話すのは得意です。
しかし「自分が想定していないことを質問され、その場で考えて答えること」ができません。
また、いかに頭が良くても、堂々と話すことのできない人は好印象を得られません。
社会人は学生に対し「新鮮さ」を求めています。
どんなにいいことを話していても、小さな声で下を向きながら話している、実績のない若者を信用することはできません。
就活に成功する就活生の特徴とは
「自分の頭でしっかりと考え、堂々と話す能力」とだけ言われても、イメージしづらいかもしれません。
実際に就活に成功する人は、どのような特徴を持っているのでしょうか?
相手の質問の意図を汲み取り、考えてから返答する
「自分の頭で考える力のある人」は「質問への回答力」が明らかに高いです。
考えられない人は、相手の質問に対して、自分が用意していた答えのうち最も近いものを、練習通りに答えようとします。
しかし、そうすると、どうしても徐々にズレが生まれてきてしまいます。
「聞かれたことに対して答えていない」という結果になることは、想像以上に多いものです。
質問をされたら、反射的に答えるのではなく、相手が何を聞きたがっているのかを落ち着いて考えましょう。
そして考えたのちに、結論から手短に話し、あとは相手の反応を見ながらそれを補足する形で話を続けるのが理想形です。
答えが思い浮かばないのであれば、逆質問して相手の質問の意図を絞り込み、時間稼ぎをしながら考え続けましょう。
それでもわからなければ、少しズレても良いので、思い浮かんだ中で最も答えに近い回答をしましょう。
「なぜ? なぜ?」と考える癖が身についている
普段から「なぜ? なぜ?」と考える癖が身についている人は、就活で成功します。
例えば食品メーカーをうけるときに「人の生活に身近で欠かせない食品に関わるのは、やりがいになります」というのは鉄板の答えです。
しかし、これは多くの学生が同じことを言うので、差別化にはなりません。
ここで「なぜ? なぜ?」と考えるのです。
「食品にかかわりたい」
↓それはなぜか
「人の生活に身近で欠かせないものだから」
↓人に身近なものは沢山あるが、なぜ食品なのか
「これまでの生活で〇〇のような経験があり、人にとって食はとても重要なものだと思ったから」
↓そもそもなぜ人の生活に身近なものに関わりたいか
「自分が関わったものを、人が手に取ったり、それを食べて喜んでいる姿を想像すると嬉しくなる」
↓なぜ自分は嬉しくなるのか
(納得いくまで続ける)
自分の具体的な経験にまで落とし込めると、ぐっと説得力が増します。
前を向いて話す
前を向いて話すことは、基本中の基本です。
活躍している社会人の多くは、きちんと相手のことを見ながら話す癖が身についています。
面接に慣れていない学生や、自分に自信のない学生は、下を向いて話しがちです。
相手の胸元辺りを見ながら話す癖を普段から身につけておきましょう。
あまりじっと目を見つめすぎると、相手も気まずい思いをするので、普段は胸元をみるくらいがちょうどいいです。
ただし、時々、相手と目を合わせることも効果的です。
余裕が出てくれば、相手がいま自分の話を理解しながらきいてくれているのか、分かるようになります。
相手が怪訝な表情をしていたら、話題を変えたり、逆質問して本当に相手が知りたがっていることを確認するといいでしょう。
大きな声で話す
相手がきちんとストレスなくききとれる声量で話しましょう。
むやみやたらと大声を出す必要はありません。相手が自然と聞き取れる声量がベストです。
緊張していると、第一声は小さくなってしまいがちです。
そして一度小さな声で話しかけると、途中から声量を上げることは難しいです。
第一声は少し大きめで、くらいの意識で話し始めるべきです。
そこさえできていれば、話しながら適切な声量にもっていくことができます。
就活に必要な力と意識すべきことのまとめ
- 相手の質問の意図を考えてから答えること
- 自分の考えに対し「なぜ?」「なぜ?」と深掘りをすること
- 相手の胸元あたりを見て話すこと
- 第一声は大きめに話しはじめること
いかがだったでしょうか?
どれも当たり前のことですが、重要なことばかりです。
当たり前のことを、人は意外と実践できません。
「当たり前じゃん!」とその情報を軽視して、自分には関係のないものだと切り捨ててしまうからです。
本当に、それらのことを実践できているのか、落ち着いて考えてみましょう。
もし一つでもできていないことがあれば、習慣になるまで意識して実践しましょう。
偉そうなことを書いてしまいましたが、こういうことができている学生と、できていない学生は、その差が明らかにわかります。
悔いのないよう全員実力を発揮してほしいと、一社会人として心からそう思います。