【残業によるうつ病リスクは?】働きすぎによるうつ状態を見逃さない【過労死・睡眠不足との関連性】

このような方のための記事です
  • 残業のうつ病リスクを知りたい
  • うつ病の兆候が何か知りたい
  • 過労死ラインや睡眠不足とうつの関係を知りたい

慢性的な長時間労働による影響で、うつ病になる人が後を絶ちません。

実際、残業によるストレスへの影響はどの程度あるものでしょうか?

また、過労死や労災認定の基準はどうなっているでしょうか?

この記事では、残業とうつ病との関係を分かりやすく解説します。

目次

残業によるストレスと抑うつ感

残業によるストレスレベル

株式会社ドクタートラスト ストレスチェック研究所

残業が多いほどストレスレベルが高いという、見事な相関関係にあります。

残業という行為が精神健康に与える影響は計り知れません。

多くの研究によって、長時間労働がうつ病や不安障害を引き起こす可能性があることが示されています。

日本の労働基準法では、一定の残業が許容されていますが、長時間にわたる残業は明らかに従業員のストレスレベルを増加させ、睡眠不足や消耗を招くことになります。

残業が多いと、仕事の圧力により仕事と私生活のバランスが崩れ、これが心理的な疲労やストレスにつながります。

残業による抑うつ感

過重労働とメンタルヘルス

月間の時間外労働が多いほど、疲労感や抑うつ感が高まることが分かっています。

多数の研究が、長時間労働と心理的健康問題との間に明確な関連性を指摘しています。

特に、連続して長時間の労働を強いられる環境は、労働者のうつ病リスクを顕著に高めることが示されています。

残業による過労死ラインと労災認定要件

法的な過労死ラインとは?

日本において「過労死ライン」とは通常、月に80時間以上の残業を指す

これを超える残業は、身体的・精神的なリスクをもたらし、過労死や心臓病、脳血管疾患のリスクを高めると認識されています。

しかし、過労死ラインを超えていたら即労災認定される、というわけではありません。

行政による労災認定要件

・発病直前の2か月連続して1ヶ月あたりおおむね120時間以上の時間外労働を行った場合
・発病直前の3か月連続して1ヶ月あたりおおむね100時間以上の時間外労働を行った場合

以上が長時間労働が労災に認定される要件です。

厚生労働省の心理的負荷による精神障害の労災認定基準によって定められています。

このほか、転勤直後の場合など、環境が大きく変わったのと月100時間の残業を行うと、労災と認定される可能性があります。

ただし、労災認定はこれだけでなく、労働内容や休日の有無など、複合的な条件によって判断されるため、注意は必要です。

睡眠不足の影響

睡眠不足によるうつ病リスク

睡眠不足もうつ病リスクを大幅に高める

5時間睡眠が、うつ病のリスク100時間に相当するという医師の話も、日本経済新聞の記事で紹介されています。

睡眠は日中のストレスや疲労からの回復に不可欠であり、睡眠不足は焦燥感・イライラ・集中力の低下に直結します。

特に、うつ病や不安障害などの精神疾患のリスクを高めることが知られています。

理想的な睡眠時間は個人差がありますが、一般的には夜間7〜9時間が推奨されています。

睡眠不足が常態化すると、思考能力や判断力が鈍り、職場でのパフォーマンスが低下するだけでなく、人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

健康的な睡眠を確保するために必要なこと

健康的な睡眠を確保するには、就寝前のルーチンを整えることが重要

カフェインやアルコールの摂取を控え、就寝前にはリラックスできる活動(読書や瞑想など)を取り入れることをお勧めします。

また、寝室は静かで暗く、快適な寝具を整えることも睡眠の質を向上させるポイントです。

デジタルデバイスの使用は睡眠の質を損なうため、就寝の1時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を避け、睡眠環境を整えることが推奨されます。

うつ状態の兆候

長時間の残業が続くと、うつ状態に陥りやすくなることがあります。

うつ状態は、単なる悲しみや落ち込みとは異なり、日常生活に影響を及ぼす多くの症状が伴います。

注意が必要な兆候

うつ状態の初期兆候には以下のようなものがあげられます。

  • 持続的な悲しみ
  • 興味や喜びの喪失
  • 過剰な睡眠または不眠
  • 食欲不振または過食
  • 過度の疲労感
  • 無力感

これらの症状が2週間以上続く場合は、専門の医療機関を受診することが推奨されます。

また、業務上では、以下のような影響となって表れてきます。

  • 欠勤が増える
  • 遅刻早退が増える
  • 残業時間が増える
  • 会議での発言が減る
  • 仕事の効率が極端に落ちる
  • かんたんな仕事に手が付けられない
  • ケアレスミスが増える
  • ミスやインシデントが増える

このような兆候がみられたら、注意が必要です。

働きすぎてしまう人の特徴や環境

以下にあてはまる場合は注意が必要です。

  • 上司や先輩が帰るまで、自分も帰れない
  • 責任感が強く、お願いされた仕事は断れない
  • 業務量が多く残業が常態化している
  • 人手不足で自分が抜けると仕事が回らない
  • 競争心が強く完璧主義

長時間労働の影響や対処法については以下の記事にまとめています。

ストレスのセルフチェック

長時間労働・うつ病への対策

職場の環境を改善することで、従業員の精神健康を守り、生産性を向上させることができます。

また、個々人でも、セルフケアを心がける必要があります。

職場の対策

企業は従業員の健康を支援するために、EAP(Employee Assistance Program)などの心理的支援プログラムを導入することが効果的です。

また、長時間労働の抑制や、従業員向けの相談窓口の設置を、制度化することが欠かせません。

従業員の対策

心理的な問題に直面したときには、カウンセリングやセラピーを含む専門家のサポートを求めることも一つの手段です。

専門家からの適切なアドバイスや治療を受けることで、うつ病をはじめとする精神疾患の早期発見・早期治療につながります。

しかしうつ病はなかなか自覚ができず、医療機関の受診も気軽にはできません。

そのため、自身や周りが気づいたときには、かなりうつ状態が進行しており、復帰まで時間を要するということが起こります。

厚生労働省の5分でできる職場のストレスセルフチェックなど、チェックツールを活用し、客観的に自分の状態を把握することが重要です。

また、「適切な睡眠、バランスの取れた食事、定期的な運動」など、仕事だけでなく生活面を整えることも可かあせません。プログラムの導入、従業員の声に耳を傾けることが、組織全体のウェルビーイングを促進します。

まとめ

  • 長時間労働はうつ病のリスクと高める
  • 残業だけでなく睡眠不足や生活の乱れもストレスにつながる
  • うつの兆候を把握し、早期発見することが重要
  • 会社の制度による長時間抑制や、従業員のメンタルセルフチェックも欠かせない

残業は、うつ病やその他の精神疾患のリスクを高める可能性があるため、これに対する認識と対策が急務です。

残業時間を減らしワークライフバランスを確立することは非常に重要です。

以下の記事では、ワークライフバランスの取れる仕事探しを詳しく解説しています。

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