スマート電球の中でも高い人気を誇る「Philips Hue(フィリップスヒュー)」は、ラインナップが豊富です。最も一般的なE26口金では、75W(1100lm)と100W(1600lm)のモデルが発売されています。
この記事では、Philips HueのE26口金タイプ(75W相当・100W相当)の「明るさ・消費電力・価格・大きさ」などを徹底比較します。
また、Philips Hue 75W相当の立ち位置が分かりやすいように、最近人気の「SwitchBotスマート電球」との比較もご紹介します。

スマート電球全般の詳細解説は以下の記事でしているので、興味があればお読みください


Philips Hue(フィリップスヒュー)の基本


Philips Hueとは?
Hueシリーズの特徴は、スマートフォンや音声アシスタント(Alexa・Google・Siri)から照明を自在に操作できる点です。電源のオンオフ、明るさの調整、色の変更、スケジュール設定まで、すべてアプリ一つで管理できます。
Hueのすごいところは、単なる「スマート電球」ではなく、家庭全体の照明システムを構築できることです。Hue専用の「ブリッジ(Hue Bridge)」を中心に、複数の電球や照明をまとめて制御できるため、家中の照明を自動化できます。
たとえば「帰宅時に自動点灯」「夜間は落ち着いた暖色に変更」など、ライフスタイルに合わせた演出が可能です。
Philips Hueのブリッジがなぜ必要なのか
ブリッジがあることで、Wi-FiやBluetoothでは実現できない安定した通信と拡張性を確保できます。
Hueブリッジの主な役割は以下の通りです。
- Zigbeeという省電力無線規格で電球と通信
- 同時に50台以上のデバイスを安定接続
- 外出先からの遠隔操作を可能に
- 自動化(スケジュールやセンサー連携)が使える
Wi-Fi接続のみのスマート電球は便利ですが、台数が増えると接続が不安定になったり、応答が遅くなったりすることがあります。Hueブリッジを使えば、照明だけの専用ネットワークを構築できるため、安定性と応答速度の両方で優位です。
最近では「Matter(マター)」という共通規格にも対応し、ブリッジを通じてAmazon AlexaやApple HomeKit、Google Homeなどともスムーズに連携できます。
Philips Hueの口金(くちがね)
Hueシリーズにはさまざまな形状の電球がありますが、日本の一般的な家庭で使われているのは「E26口金タイプ」です。
この「E26」とは、電球をソケットにねじ込む部分(口金)のサイズを示すもので、「直径26mm」を意味します。日本の照明器具ではE26が最も一般的で、リビングや寝室、玄関照明など多くのシーンに対応します。
一方で、小型照明やデスクライトなどでは「E17口金」もよく使われます。
Philips HueにはE17とE26の両方がラインナップされています。
スマート電球のW(ワット)・lm(ルーメン)と明るさの目安
スマート電球を選ぶ際に「75W相当」「100W相当」という表記をよく見ますが、これは明るさの目安を示しています。
もともとW(ワット)は“消費電力”を表す単位ですが、LED電球では消費電力が小さいため、「白熱電球の何ワット相当の明るさか」で表すのが一般的です。
明るさはlm(ルーメン)という単位で表しますが、ワット数とルーメンはおおよそ以下の関係になります。
明るさ(ルーメン:lm) | 白熱電球の明るさ相当 | 適した部屋の広さ(目安) | 主な用途・シーン |
---|---|---|---|
約200〜400lm | 約20〜30W相当 | 間接照明・常夜灯・廊下など | やわらかい補助光・ナイトライト |
約500〜700lm | 約40W相当 | 4〜6畳(寝室・書斎) | デスクライト・読書灯・小部屋 |
約800〜1,000lm | 約60W相当 | 6〜8畳(一般的な部屋) | 一人暮らしのメイン照明・リビング補助灯 |
約1,100〜1,300lm | 約75W相当 | 8〜10畳(リビング・ダイニング) | メイン照明・作業スペース |
約1,500〜1,600lm | 約100W相当 | 10〜12畳(広めのリビング) | 明るい作業・家族団らんスペース |
約2,000lm以上 | 約120W超相当 | 12畳以上・天井高の部屋 | メイン照明や多灯照明向け |
Hueの場合もこの基準に近く、75Wモデルで1100lm、100Wモデルで1600lmになります。
Philips Hue E26 75Wと100Wの比較


Philips HueのE26電球には「75W相当」と「100W相当」があり、見た目は似ていますが、明るさや消費電力、価格、用途が大きく異なります。



自分の部屋の広さや照明の目的に合わせて選ぶことが重要です
Philips Hue E26 75Wと100Wの比較表
まずは、75Wモデルと100Wモデルの主要スペックを比較してみましょう。
項目 | 75W相当 | 100W相当 |
---|---|---|
明るさ(最大) | 1,100lm | 1,600lm |
明るさ(2700K) | 806lm | 1200lm |
色温度範囲 | 2,200K〜6,500K(調光調色対応) | 2,200K〜6,500K(調光調色対応) |
待機消費電力 | 0.5W | 0.2W |
消費電力 | 10W | 16W |
サイズ | 62mm×112mm | 67mm×133mm |
重量 | 75g | 186g |
対応口金 | E26 | E26 |
通信方式 | Zigbee / Bluetooth | Zigbee / Bluetooth |
価格(参考) | 約4,000〜6,000円前後 | 約6,000〜7,500円前後 |
推奨利用シーン | 寝室・書斎・間接照明 | リビング・ダイニング・主照明 |
価格はセールなどで変動しますが、75Wと100Wでは2,000円前後の差があります。
明るさ lm(ルーメン)
明るさを示す「ルーメン(lm)」は、照明選びで最も重要な指標です。これまでご紹介した通り、75W相当モデルが約1,100lm、100W相当モデルが約1,600lmです。
数値だけを見ると小さな差に見えますが、実際に点灯すると体感で2割〜3割ほど明るく感じることが多いです。
たとえば、6〜8畳の部屋なら75Wでも十分ですが、10畳以上のリビングや高い天井の部屋では100Wのほうが快適です。
また、照明を「間接光メイン」に使う場合や「壁や天井を反射させる照らし方」をする場合も、明るめの100Wを選んだ方が自然に見えます。
逆に、ベッドルームや読書灯として使う場合は、75Wでも十分です。
Philips Hueのもう一つの魅力は、最低光量の「しぼり幅」が広いことです。スマホから明るさを1%単位で調整できるため、最大出力で使うことは実は少ないという人も多いでしょう。しかも「低光量でも色温度(白・暖色)を維持できる」ため、他社製スマート電球よりも色ムラが少ないのが特徴です。
消費電力
Hueの省エネ性能も見逃せません。75W相当では10W、100W相当のモデルでは16Wであり、1.6倍の差があります。
一方で、一般的な白熱電球100Wが文字通り100W消費するのに比べると、約7分の1の電力で同等の明るさを出せます。
LEDであればこの通り消費電力は低いため、75W相当と100W相当のLED電球でその差は気にしなくて問題ありません。
Hueシリーズはスタンバイ時(待機電力)も低く、ブリッジ経由で常時接続していても年間の電気代は安価に抑えられます。
大きさ
Hue 75Wモデルと100Wモデルは、どちらも標準的なE26ソケットに対応していますが、100Wモデルの方がやや長めです。
高さが1cm違うだけでも、ダウンライトやシェード付き照明では「はみ出る」こともあります。特に見た目を重視する照明では、取り付けスペースを確認しておくのがおすすめです。
価格
Hueの価格は、時期や販売店によって変動しますが、概ね以下のような相場です。
- 75W相当:約4,000〜6,000円前後
- 100W相当:約6,000〜7,500円前後
つまり、明るさが約1.5倍になっても価格差は1,000円前後。1度設置すれば数年使えるLED電球なので、長期的にはコスパの差はほとんどありません。
電気代の差も年間で数十円程度のため、「部屋の広さに合わせて素直に選ぶ」のが最も合理的です。
75Wと100Wの選択基準・おすすめな人
タイプ | おすすめの人 | 主な使用シーン |
---|---|---|
75W相当 | 部屋をやさしく照らしたい人 | 8〜10畳 リラックス空間、書斎、子ども部屋 |
100W相当 | 広い部屋を明るくしたい人 | 10~12畳 リビング、作業スペース、リモートワーク環境 |
どちらも機能としては大きな違いはないため、シンプルに求める明るさや利用する部屋の大きさで決めましょう。
また、Hueなら複数の電球を組み合わせてゾーンごとに明るさを変えられるため、「どちらか一方」ではなく「使い分け」が最もおすすめです。
Philips Hue E26 75WとSwitchBot E26の比較



ここからは参考情報として、HueのE26 75Wと、条件の近いSwitchBotのスマート電球を比較します
Philips HueとSwitchBotはどちらも人気のスマート電球シリーズですが、構造・通信方式・価格・使い勝手が大きく異なります。
Hueは「本格派スマートホーム向け」、SwitchBotは「手軽に導入したい人向け」と言えます。
Philips HueとSwitchBotの違い(専用ハブ型とWi-Fi型)
Philips Hueは「専用ブリッジ(Hue Bridge)」を介して通信する方式を採用しています。そのため、安定性に優れ、スマート電球の数が多い場合にはさらに有利になります。
一方、SwitchBotスマート電球はWi-Fi直結型です。ブリッジ不要で、電球を取り付けてアプリから接続するだけで使えます。初期設定が簡単で、追加費用もかからないため、初心者には導入しやすい仕組みです。ただし、Wi-Fi環境に依存するため、通信が混雑すると遅延や応答の遅さが発生する場合があります。
Philips HueとSwitchBotの比較表
項目 | Philips Hue 75W相当 | SwitchBot |
---|---|---|
明るさ(最大) | 1,100lm | 800lm |
明るさ(2700K) | 806lm | – |
色温度範囲 | 2,200K〜6,500K(調光調色対応) | 2,700K〜6,500K+RGB(調光調色対応) |
待機消費電力 | 0.5W | – |
消費電力 | 10W | 10W |
サイズ | 62mm×112mm | 60mm×116mm |
重量 | 75g | 93g |
対応口金 | E26 | E26 |
通信方式 | Zigbee / Bluetooth | Wi-Fi / Bluetooth |
ハブの必要性 | Hueブリッジ必須(高度機能時) | 不要(単体で動作) |
価格(参考) | 約4,000〜6,000円前後 | 約2,000〜3,000円 |
こうして比べると、SwitchBotは「コスパが良くてシンプル」で、Hueは「高機能で本格的」といえます。どちらも一長一短があり、家の規模や目的に合わせて選ぶのが賢明です。
明るさにやや違いがあるものの、スマート電球としてのスペックは大きく変わらず、接続方式による安定性をどこまで重視するかが、どちらを選ぶべきかのポイントになります。また、部分的にではなく家中の電球をスマート化するのであれば、Philips Hueがおすすめです。
まとめ
Philips HueのE26スマート電球には「75W相当」と「100W相当」の2種類があり、どちらも見た目はほぼ同じですが、明るさ・消費電力・サイズなどに明確な違いがあります。
大きな差は明るさ(ルーメン)です。75W相当は最大1,100lm、100W相当は最大1,600lmと、およそ1.5倍の明るさを誇ります。8畳程度の寝室や書斎であれば75Wでも十分ですが、10畳以上のリビングやダイニングなど、「部屋全体をしっかり照らしたい」場合には100Wモデルが最適です。
消費電力とサイズにも違いがあります。100Wモデルは明るい分だけ消費電力が16Wとやや高く、サイズも少し大きめです。そのため、照明器具によっては取り付けスペースに注意が必要です。LEDのため、電気代の差は年間で数十円程度とほとんど気にならないレベルです。
また、同カテゴリでPhilips HueとSwitchBotを比較すると以下のようになります。
- 本格的なスマートホームを構築したいなら → Philips Hue
- Zigbeeで安定接続、ブリッジ経由で拡張性抜群
- 高度な自動化やシーン制御が可能
- まず気軽に試してみたいなら → SwitchBot
- ブリッジ不要、アプリ設定が簡単
- コスパが良く、初めてのスマート電球に最適



Hueの75Wか100Wかは、使う部屋と目的で選ぶのがポイントです。どちらを選んでも、Hueらしい柔らかな光と高度なスマート機能で、これまでの照明にはない便利さを体感できるでしょう

