「正社員なのにボーナスがない(賞与がない)」のは違法か?告知なしでいいのか?

このような方のための記事です
  • 正社員なのにボーナスが貰えず困っている
  • ボーナスなしに違法性がないか知りたい
  • ボーナスがないことを告知しなくてもいいのか知りたい

正社員として働く多くの人々にとって、ボーナスは重要な収入源の一つです。

しかし、全ての正社員がボーナスを受け取っているわけではありません。

この記事では、正社員でもボーナスがない状況がなぜ起こるのか、その法的背景や労働者の権利について詳しく解説します。

目次

ボーナスの役割と不支給の理由

日本におけるボーナスの役割

日本では多くの企業で年二回のボーナス(賞与)が一般的ですが、これは従業員のモチベーション維持や生活の安定に役立っています。

ボーナスは年収の大きな部分を占めることもあり、その有無が生活に直接影響します。

しかし、経済状況の変動や企業の財務状況により、ボーナスのカットや削減が行われることも少なくありません。

ボーナスが支払われない理由

企業の経営状況や利益率の低迷など

新興企業やスタートアップ、あるいは経済的に厳しい時期にある企業では、資金の確保を優先し、ボーナスの支給を見送ることがあります。

また、企業によっては、パフォーマンスに基づく報酬体系を採用しており、定期的なボーナス支給を行わない方針を明確にしている場合もあります。

ボーナス不払いの合法性

法律で定められた賞与の扱い

日本の労働基準法では、賞与について特別な規定は設けられていない

支給の有無や金額は企業の裁量に依存します。

ただし、労働契約や就業規則でボーナスの支給が約束されている場合、その約束を反故にすることは問題となり得ます。

ボーナス不払いが許される条件

労働契約や就業規則に定めがあること

企業は明確な説明責任を果たし、必要に応じて労働者との協議を行うことが望ましいです。

また、労働者側も自らの権利を理解し、不当な扱いを受けた場合には適切な対応を取ることが重要です。

そもそも契約や規則にボーナスの定めがない場合、支給される根拠がないため注意が必要です。

正社員なのにボーナスがないのは違法か?

正社員も例外ではなく労働契約と就業規則次第

正社員だからボーナスを支給しなければならない、という法律の定めはありません。

雇用形態に関わらず、ボーナスについてはこれまでお伝えした通り、労働契約や就業規則に基づいて決定されることになります。

労働者の権利と企業の告知義務

ボーナスが支給されない状況に直面した場合、労働者は自身の権利を守るためにいくつかの手段を取ることができます。

労働者がボーナスをもらう権利

先ほどもお伝えした通り、法律で賞与を支給することは規定されていません

労働契約や就業規則で賞与の支給が約束されている場合、それは法的に保護される労働者の権利となります。

したがって、企業がこれを一方的に変更または撤廃することは、労働者の同意や適切な法的手続きなしには困難です。

労働者が取るべき対応策と相談窓口

ボーナスが支払われない場合、労働者はまず企業の人事部や労務管理部門に問い合わせることが必要です。

うめ

不満を言うのではなく、制度や状況を確認したい、という意図を伝えることが重要です

不明確な点や納得がいかない説明に対しては、労働基準監督署や地域の労働局、労働相談センターへの相談を検討することが有効です。

これらの機関は、労働者の権利を守るためのアドバイスや支援を提供しており、必要に応じて法的措置を取る方法についても指導してくれます。

ただし、自社での自分の立場が悪くなる可能性もあるため、これは最終手段と考えておきましょう。

ボーナスポリシーの告知義務

企業はボーナスポリシーの変更や撤廃を行う場合、これを労働者に明確に通知する義務がある

この通知は、変更が生じる前に行われる必要があり、すべての労働者が変更内容を理解し、必要に応じて対応できるようにすることが求められます。

ただし、そもそもボーナスの規定がない場合や、告知不要と定められている場合は、告知義務は発生しません。

ボーナスがない企業の特徴

ボーナスが支給されない企業にはいくつかの共通の特徴があります。

これらの特徴を理解することは、就職活動や転職を考えている労働者にとって重要な情報となります。

ベンチャー企業である

資金繰りの都合上、従業員に対するボーナス制度を導入していない場合も

これらの企業では、利益が出始めるまでの間、固定給のみの給与体系が設定されることが多いです。

また、ボーナスの代わりに自社株を取得できるストックオプションを定める企業もあります。

この場合、企業が大きく成長すると株の価値も高まるため、従業員が働くモチベーションとなります。

零細・中小企業である

中小企業や零細企業では、資金の制約からボーナスを支給できないケースがあります。

また、業績が不安定である場合、ボーナスを出すことが難しい状況にあることも少なくありません。

一時的なボーナスよりも、雇用の安定性が重視されている場合が多いです。

労働組合がない

労働組合が存在しない企業では、労働者の交渉力が低く、賞与などの福利厚生の改善が困難な場合があります。

組合がある場合には、集団交渉により賞与の支給を求めることができるため、その有無が大きく影響します。

年俸や月給を重視している

一部の企業では、年俸制を採用しており、その一環としてボーナスを固定給に含めるケースがあります。

この場合、ボーナスが別途支払われることはなく、月々の給与が比較的高めに設定されていることが特徴です。

ボーナスとして大きな額をもらうことはできませんが、年収が安定しやすいメリットがあります。

業績が悪化している

経済状況の変動や業績の悪化により、企業が賞与を削減または停止することもあります。

これは一時的な措置であることが多く、業績が回復すれば賞与が再開される可能性があります。

ボーナスがない場合のキャリア戦略

ボーナスが支給されない状況に直面した場合、キャリアの見直しを含めた戦略的なアプローチが求められます。

他の福利厚生での補填方法

ボーナスがない場合でも、他の福利厚生や条件を改善することで職場環境の質を高めることが可能です。

たとえば、柔軟な勤務時間、リモートワークの機会、健康支援プログラムなど、他のメリットに目を向けることが重要です。

キャリアの見直しと転職の検討

現在の職場でのキャリアパスや給与条件に満足できない場合は、転職を検討することも一つの選択肢

ボーナスの不支給という問題は、従業員個人で解決するのは難しいです。

それも含めて、その会社の待遇・年収であると割り切るしかありません。

年収に不満がある場合は、転職市場を調査し、自身のスキルや経験を生かせる、より好条件の職場を探すことがキャリアアップにつながります。

まとめ

  • ベンチャー企業や資金繰りに問題がある中小企業ではボーナスが支給されないことも
  • ボーナスの支払い義務があるかどうかは、入社時の契約内容と就業規則に基づいて判断される
  • ボーナス不支給も含めその会社の待遇であると割り切るしかない
  • ボーナスがない場合のキャリア戦略を立てる際、転職を含めた選択肢を考慮に入れる

ボーナスがない状況は多くの労働者にとって不満となりますが、それをどう捉え、どう対処するかが重要です。

自分の権利を理解し、契約や規則を確認して適切な行動を起こすことで、ボーナスが支給される可能性もあります。

また、客観的に現在の年収や自分が求める生活水準を捉えなおし、その会社内での出世や転職を含め、戦略的に年収を上げていくことが重要です。

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