在宅勤務で保育園に預けるのはずるい?在宅勤務だと預けられない?保育園にバレる?

このような方のための記事です
  • 在宅勤務でこどもを保育園に預けられるか不安
  • 先生や他の保護者にズルいと思われないか不安
  • 在宅勤務なのに保育園を使っている保護者をズルいと感じる
以下を「ICTを活用した在宅勤務」として扱います
  • リモートワーク
  • テレワーク
  • 在宅勤務
うめ

フルリモートワーク(在宅勤務・テレワーク)を実践するうめです

こどもを保育園に預けてから在宅勤務(リモートワーク)を行う人が増え、柔軟な働き方が可能になってきました。

しかし、「在宅なのに保育園に子どもを預けるのはずるいのでは?」という通勤者の疑問があり、その考えに対して罪悪感を覚える在宅勤務者もいます。

在宅勤務で保育園を利用するのは決して悪い事ではないが、そう思ってしまう人がいるのも仕方ない事情がある

この記事では、在宅勤務しながら保育園を利用することの正当性と、それが職場や社会からどのように保障されるかについて掘り下げます。

保育園に在宅勤務を行っていることが「バレる」リスクや、在宅勤務でもこどもを預けられるかどうかの法的背景も含め、具体的な対策を解説します。

目次

在宅勤務で保育園に預けるのはずるい?

在宅勤務で保育園に預けるのはずるくない!

在宅勤務中にこどもを保育園に預けることは、決して「ずるい」というわけではない

多くの場合、在宅勤務であっても仕事に集中するためには、こどもの世話からから解放されることが不可欠です。

小さいこどもにとっても、安全な環境で遊んだり学んだりできる場所が保育園です。

在宅勤務をしながらでは、親も十分にこどもの面倒を見ることはできません。

在宅勤務をしながら保育園を利用するのは正当な権利です。

なぜ「ずるい」と見なされるのか?

通勤・出社・子育てをすべてこなす人からすると比較的「ずるい」ように見える

出社する人の中には、長時間の通勤でストレスを感じながらも、子育てや保育園への送迎も行っている人がいます。

そういった環境の人からすると「在宅勤務なのに保育園を利用するなんてずるい」と感じてしまうのは仕方のない事です。

また、「在宅勤務で保育園に預けるのはずるい」という感覚は、在宅勤務に対する誤解から生じます。

一部の人々は、在宅勤務を楽をしているように捉えてしまいがちですが、実際には在宅勤務者も厳しい納期や目標を持って働いています

また、社会的な旧慣念や、育児は親が直接見るべきだという圧力も、この「ずるい」という考えを増長します。

「在宅勤務で家にいるのであれば、子供の面倒を見る余裕があるはずで、それをしないのは楽をしたいるだけだ」という考え方です。

在宅勤務は働いている場所が家というだけであって、出社する時よりも手を抜いてゆったりできるというわけではありません。

もちろん通勤がないことで、こどもの送迎などは柔軟に行えますが、在宅勤務中に子供の面倒が見られるということにはなりません

「出勤がない分、自分で子供の面倒をみるべきだ」ではなく「在宅勤務だろうと出社だろうと、こどもの面倒を見てほしい時間に、みんなが保育サービスを適切に受けられるべきだ」というのが健全的な考え方です。

在宅勤務でもこどもを保育園に預けられる?

在宅勤務でも保育園利用は可能か?

在宅勤務でも保育園利用は可能

多くの地域では、保育園の利用資格について、通勤の有無は条件になっていません

保育園の主な目的は、子どもが安全で教育的な環境で成長できることを保証することであり、親が在宅勤務であってもこれは変わりません。

そのことについては、厚生労働省・総務省も明確に表明しています。

 在宅勤務している場合であっても保育所等の利用対象となることについては、内閣府・文部科学省・厚生労働省の連名通知により、各市町村等に対して示しています。
 また、居宅内での労働か、居宅外での労働かという点のみをもって優先度に差異を設けることは望ましくなく、個々の保護者の就労状況を十分に把握した上で判断すべきであるということについても、内閣府・厚生労働省の連名事務連絡により各市町村等に対して示しています。

テレワーク総合ポータル

入園選考は点数制度で決まる

保育園の入園選考は、親の就労状況、家庭の状況(例えば兄弟の有無)など、地域によって異なる点数制度に基づいて決まる

在宅勤務の親も、出社して働いている親と同様に、保育園の利用が認められる点数を得られるケースが多いです。

在宅勤務かどうかというよりも、育休が取れるか、時短かフルタイムかという勤務時間の方が重要となります。

勤務時間が少なすぎると、そもそも保育の認定を受けられないことがあります。

後ほど解説する各種条件をしっかり確認する必要があります。

保育園に「在宅勤務」がバレるリスクはあるか?

バレることはないが隠すことはおすすめできない

申請に関して、基本的に在宅勤務がバレるということはありません。

しかし、保育園の先生やスタッフとの信頼関係は、こどもの安全を保つためにもとても重要なものになります。

そのためには保育園側との日ごろのコミュニケーションが欠かせませんが、隠し事をしながら会話をすると、余計な緊張感を覚えることになります。

在宅勤務状態は「バレる」というよりは「自分から開示する」ものです。

正直に勤務形態を申告することが最も良いやり方です。

一方、後ほどご紹介するように「在宅勤務であっても保育園が必要な理由」をしっかりと保育園側に伝えることも重要になります。

3歳未満児の在宅勤務の努力義務による影響

厚生労働省により、こどもが3歳になるまで在宅勤務できるよう、企業に努力義務を課す方針が明らかに

テレワーク導入を企業の努力義務とすることなどが柱で、同省は育児・介護休業法などの改正案を2024年の通常国会に提出する。
(中略)
子どもが3歳になるまでの間、従業員がテレワークを利用できるよう企業に努力義務を課す。3歳から小学校入学前までは、テレワークや始業時刻の変更、短時間勤務制度など柔軟な働き方から二つ以上導入することを義務付け、従業員が一つを選んで使えるようにする。

時事ドットコムニュース

このように、国としてもより一層、子育て世帯の在宅勤務・リモートワークを推進しています。

今後も在宅勤務をする人は、子育て世帯を中心に増えていくことが予想されます。

ここで問題になるのが、「在宅勤務をするのであればこどもを保育園に預ける必要はないのでは?」「在宅勤務をできない仕事をする親を優先して保育園を使えるようにすればいいのでは?」という考えです。

しかしこれは、気持ちは分かりますが、誤った考えです。

在宅勤務と保育園の利用は別問題です。

実際、国としても以下の方針を打ち出しており、在宅勤務と保育サービスは両立するものとして明確に記載されています。

子育てや介護と仕事の両立のための在宅勤務制度の活用に当たっては、保育サービス等の利用により、仕事に専念できる体制を整えるとともに、事業主においても、「情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」に基づき、在宅勤務を行う労働者の適切な労務管理に努める必要がある

厚生労働省 育児休業後も継続就業しながら子育ての 時間確保ができる働き方の実現について

考えるべきは「在宅勤務者が保育園を使うかどうか」ではなく「必要な人が全員保育園を使えるようにするためにどうするか」です

在宅勤務で保育園にこどもを預けるメリット・デメリット

メリット

  1. 集中して働ける:家にいながらも、こどもが保育園にいる時間は集中して仕事を進められます。
  2. 送迎しやすい:通勤時間が省かれることで、こどもの送迎をしやすくなります。
  3. こどもの体調不良に対応しやすい:日中でも緊急時に保育園に駆け付けやすくなります。
  4. こどもの社会性の育成:保育園では、他の子どもたちとの交流を通じて社会性が養われます。

特に送迎のしやすさについては、在宅勤務者と保育園双方にとってメリットとなります。

勤務地が遠ければ時短勤務を余儀なくされることもありますし、こどものお迎えが遅れて保育園に迷惑をかけてしまうことがあるかもしれません。

出社しながら保育園を利用する家庭と、在宅勤務で保育園を利用する家庭の、最も大きな違いはこの点になります。

また、子育て中であっても、保育園にこどもを預けることができれば、自宅にいながら集中して仕事できる環境を整えられます。

デメリット

  1. 罪悪感:社会的な偏見により、在宅でありながら子どもを預けることに罪悪感を感じることがあります。
  2. コスト:保育園には費用がかかります。家計に与える影響を考慮する必要があります。

最大のデメリットは「罪悪感」や「周囲からの偏見」です。

これまでお伝えした通り、出社する人に比べると在宅勤務をしている人の方が送迎等に関してやりやすい面があります。

そのため、出社する人や多忙な保育園の一部のスタッフから「在宅勤務しているのに保育園を使うなんてズルい」と思われるリスクがあります。

なお保育園のコストについては、出社する場合と変わりませんし、在宅勤務で時短勤務ではなく定時分のフルタイムで働くなど、収入でコストを吸収しやすい環境にあります。

在宅勤務でこどもを保育園に預けるための工夫

入園選考の必要書類・制度を理解して適切に申請する

在宅勤務の場合でも会社は就労証明を発行することが可能で、基本的に出社する場合と申請する内容は変わらない

保育園に申し込む際には、職場からの就労証明書が求められることがありますが、これは在宅勤務の場合でも取得できます。

重要なのは、親が実際に働いているという事実を証明することです。

各自治体の保育園入園のルールを正確に理解し、適切に申請書類を準備することが大切です。

一例として、江戸川区で定められている必要書類は以下の通りです。

・教育・保育給付認定申請書兼保育施設入園(転園)申込書
・家庭状況書(表面)+家庭状況書(裏面)
・児童状況申告書
・提出書類確認書
・保護者の保育の必要性を確認する書類
・該当者のみ必要となる書類(在留カード・保育証明書など)
・本人確認及びマイナンバー確認をおこなう書類

江戸川区

事前に必要な情報を集め、疑問点は直接自身が所属する自治体に問い合わせると良いでしょう。

少し遠方の保育園も検討する

通勤のない利点を活かす

近場の保育園が満員の場合は、少し遠方の保育園も検討する必要があります。

在宅勤務であれば、通勤にかかる時間がないため、送迎の負担が少なからず軽減されます。

その浮いた一部の時間を送迎にあてることで、通常よりも少し遠い保育園でも利用することができます。

在宅勤務でも忙しいことを説明

在宅勤務でも仕事の負荷が高いことや、集中して作業を行う必要があることを説明することが重要です。

「在宅勤務=楽」という誤解を、積極的に自分から解く必要があります。

これにより、保育園側にも状況を理解してもらいやすくなります。

自分にとっての保育サービスの必要性、保育園への感謝をしっかりと伝えることが、自身やこどもが過ごしやすい環境を作る上で欠かせません。

通勤時間の削減による送り迎えができることを説明

在宅勤務の利点として、通勤時間がないために子どもの送り迎えが容易にできることを強調します。

これは、保育園にとっても安心できるポイントです。

在宅勤務でも仕事は忙しいため保育園が必要なこと、しかし通勤がないためしっかりとこどもの送迎ができ保育園と連携も取れること」を積極的に伝えるようにしましょう。

また、他の保護者にも、機会があれば自分の状況を開示するようにしましょう。

保育園や多くの保護者にとって、在宅勤務は未知の物です。

在宅勤務者は「わかってもらえるだろう」と考えるのではなく、「在宅勤務で子育てをする大変さ」をしっかりと説明することが重要です。

もちろん、出社しながら保育園を利用して働いている人は、多くの苦労を我慢しながら生活しているため、子育ての大変さへの共感や協力体制も欠かすことはできません

まとめ

  • 在宅勤務はこどもの送迎はしやすいが、働きながらこどもの面倒を見られるわけではない。
  • 通勤のある人からすると「ずるい」と思うのも仕方がない。
  • 在宅勤務でも保育園の利用には何の問題もない。
  • それぞれの状況を理解し、協力し合うのが何よりも大切

在宅勤務でこどもを保育園に預けることに対する社会的な誤解や罪悪感は根強いものです。

しかし在宅勤務しながらの子育てには多くのメリットがあります。

正しい理解と適切な準備をもって周囲の理解を得ることが、親にとっても子どもにとっても最善の選択となります。

働きながら子育てをする人は仲間です。

在宅勤務者も出社する人も、等しく保育サービスを受けながら、協力し合える関係を築くよう意識しましょう。

リモートワーク(在宅勤務)については、以下に詳しくまとめています。


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